法事(法要)【準備・進め方】
法事(法要)の準備と進め方
法事(法要)の構成
一般的に、法事(法要)は、次の3つで構成されます。まず、僧侶を呼び、仏壇の前でお経をあげてもらう追善供養。故人の眠るお墓へまいり、供養する墓参。そしてその後、僧侶や参会者を招いて、料理やお酒で接待するお斎(おとき)です。
法要は、故人を偲び、菩提を弔うものであり、故人や祖先に対する、子孫のつとめでもあります。また、故人と親しかった方々や親類などと集い、心の交流を図ることもでき、生きている私たちにとってもよい機会となります。
多くの人を招いての盛大な宴でも、家族だけのひそやかな集まりでも、それぞれの事情合わせて営めばよいでしょう。
準備と段取り
規模にもよりますが、法要の準備と段取りは、なるべく早めにします。会場の予約決定、僧侶との打合せ、招待客、案内状、お斎や引出物のことなど、細かな手配が必要です。3か月前には日程を決めて準備したいものです。
会場の決定
法要は、本来忌日に営むものですが、忌日と法要の日がずれる場合は、法要の日を繰り上げるのが原則です。最近では、参会者の都合を配慮して、土曜・日曜に行うことが多くなりました。時間は、お斎の会食の内容によって変わってきます。昼食として用意する場合は、午前11時ごろからで、軽い料理とお酒の時は、午後2時ごろからが多いようです。
追善供養とお斎を、同じ会場で行う場合(自宅やお寺など)と、お斎のために別の会場(ホテル、レストラン、料亭など)を用意する場合があります。お寺で供養をし、寺院内の一室を借りてお斎を催す場合、料理や飲み物の準備をどうするかなど、事前の打ち合せが必要です。また、ホテルやレストラン、料亭など、お斎の会場を別にする山場合は、費用の面も十分検討する必要があります。
招く範囲と案内状…
故人との関係を中心に、招く人を決めます。一周忌までは、近親者、友人知人、勤務先の関係者など、故人がお世話になった方々に、広く出席を依頼します。
三回忌以降の法要は、徐々に関係の深い人のみに絞っていき、親類縁者中心にします。案内状には、日時・会場、予定時間、食事のことなどを明記し、出席の有無を知らせる返信用ハガキを必ず同封します。案内状は、少なくとも1ヵ月前には先方へ届くようにしましょう。
引き物と供養の準備
あまりかさばらないもの、重くないもの、また持ち運びやすいものなどを選びます。通常、菓子や海苔、お茶、ふろしきなどが、多いようです。早めに山場に届けておき、お斎の、お善の前に並べておくか、会食の終わりを見計らつて一人ひとりに手渡します。供物は、花、線香、灯明、水、故人の好んだ食物などを用意します。
お寺で用意してくれるものと、施主側で用意するものを確認しておきます。
法話の打合せ
読経のあと、僧侶による法話があります。法話の内容について、希望があれば事前に依頼します。その際、故人の人柄や生前の様子などを僧侶に告げておきます。
初七日法要
初七日の法要は、実際には葬儀の3・4日後になりますが、遠来の参会者に配慮して、葬儀の日の骨あげから帰った後に行うことが多いようです。この日は、祭壇に遺骨と遺影、花などを飾り、僧侶にお経をあげてもらいます。
その後、参会してもらった親類や知人などを飲食でもてなし、故人の冥福を祈ります。近年では葬儀に続けて行うケースが増えています。
二七日・三七日・四七日・六七日法要
遺族や近親者で供養することが多く、省略することもある。自宅で営むので、とくに喪服を着る必要はない。
五七日(三十五日)・七七日(四十九日)法要
四十九日は、故人の霊が極楽浄土に行く日と考えられています。親類縁者、友人知人などを招き、僧侶を呼んで法要を営み、納骨式(埋葬)を行います。
その後、忌明けの宴を催しますが、五七日(35日目)を忌明けとする地域や宗派もあります。忌明けがきたら、葬儀に来ていただいた方や香典・供物をいただいた方たちに、挨拶状と香典返しを送ります。
また、白木の位牌から塗の位牌に変えて仏壇に安置し、水やご飯、故人が生前好きだった食べ物などを備えます。形見分けもこの日をめどに行います。
百カ日法要
死亡してから百日目のことを百か日といいます。埋葬してから初めての法要で、親類録者などを招き、僧侶を呼んで供養を行います。最近は、家族など内輪で済ませることも多いようです。
浄土真宗以外では、無縁仏のための施餓鬼供養とともに行うこともあります。また、地方によっては、百か日をもって、位牌を仏壇に安置するというところもあります。
新盆
初めて迎える盆。
一周忌法要
亡くなった翌年の命日が、一周忌となります。一周忌の法要は、葬儀でお世話になった方や親類縁者、友人知人など、比較的広範囲の方々を招きます。
僧侶の読経と法話、参会者の焼香、遺族の挨拶などを行い、集まった人々で故人を偲びながら会食をすることが多いようです。
一回忌とその後の法要
仏教では、一周忌以降、三回忌(亡くなって満2年目)、七回忌(6年目)と、百回忌までありますが、一般の家庭では、故人にまつわる身内が少なくなることもあり、三十三回忌をもって弔いあげとしています。
五十回忌・百回忌になると、故人を直接知る人も少なくなり、子孫が祖先への感謝をこめて法要を営むことになります。この場合、家の繁栄を祝い、紅白の祝い餅やごちそうを備えて供養することが多いようです。