伝統的な習慣「結納」

結納 イラスト

 結納は日本古来よりある伝統的な習慣。結納は両家がこれから親類となり「結」ばれたことを祝い、男性側から女性側の両親に女性を育ててきた感謝の意味を込め「納」めると言う意味からも、これから結婚するお二人の決意を確かにする儀式でもあります。
結納はこれからのお二人にとっても大切な儀式になります。地域によってそれぞれのやり方に違いがあるので確認をしましょう。

結納にはいくつかの方法があります。

☆仲人を立てる結納

1.仲人が使者となり双方の間を行き来して結納を取り交わす。仲人は男性側から結納を受取女性側へ届け、返礼または受書を受け取り、男性側へ届けて結納が調います。
2.仲人、双方が場所を決め双方とそれぞれの親、そして仲人が集まり結納を交わす。

☆仲人を立てずに行う結納

1.当人とそれぞれの親が場所を決めて集まり結納を交わす。
2.男性が1人または親と共に女性宅を訪れ結納を交わす。

結納の段取り

1.形式を決める。
2.日時・場所を決める。
3.仲人を立てているときは、仲人に結納の段取りを依頼。

  • どの方法で結納を行うか、双方と両親で決めたら日取りと仲人を立てるかどうかを決める。
  • 仲人を立てる場合電話などで都合を聞き、引き受けてもらえたら本人たちとどちらかの親が仲人宅を訪問して、正式にお願いする。その時どのような結納をするかを説明し了承を得る。
  • 日取りは挙式3ヶ月位前の吉日を選ぶのが一般的です。吉日とは「大安」「友引」「先勝」。当人たちと仲人の都合が良い日を選ぶとなるとある程度限られてしまうので、当人、両親が気にしないのであれば吉日にこだわることはないでしょう。

結納の場所

 本来、仲人が使者となって両家を一往復半して取り交わすのが正式な形式ですが、仲人と男性側が女性宅を訪問して一度に済ませる略式のスタイルが広く定着しています。
 住宅事情や女性側の負担を考慮し、ホテルやレストランで結納を行う方も増えています。会場のセッティングやお料理、結納品の手配などをする会場も一般的になつており、ホテルやレストラン結納プランは1人1万円からが多く、和食会席、フランス料理フルコ−スなどのメニューも豊冨です。

結納式では礼服が一般的

 結納式は礼服が正装です。準礼服、略礼服も一般的になってきています。婚約する本人たちはもちろん正装で。男性はブラックスーツか紺やグレーなどのダークスーツ、ネクタイは絹の白や青い色の無地を選び、ワイシャツは必ず白にします。女性は和装なら振袖か訪問着、洋装ならアフタヌーンドレスやフォーマルなスーツで。和装の場合は必ず金銀扇を持参します。地域によっては、スーツの男性が(モーニング扇)を持つこともあります。
 双方の両親は同レベルの服装で。双方が事前に連絡しておきましょう。

謝礼と結納費用

 仲人へのお礼は、結納だけお世話になるのか、結婚式もお世話になるのかで異なります。地域性や仲人との関係も加昧し、両家でよく相談して全額を決めます。結納だけなら結納金の1〜2割程度を包むのが一般的。結納が終わって一両日中に二人と両家で仲人宅までおもむき、お礼の挨拶とともに手渡します。挙式・披露宴までお世話になる場合は、結納終了後にお車代・美容代などの実費程度を渡し、結婚式後、日をあらためて十分なお礼をします。謝礼は双方で半分ずつ負担するのが良いでしょう。
 結納費用は、女性宅やホテルなどで行うなら基本的に祝膳・席料は女性側の負担。取り交わし結納は日を改めて行うのが正式です。また、本来は仲人だけが行くものですから、男性側は自分たちの料理代を(御酒肴料)として持参するのが礼儀。
 一人約1万円程度なら合わせて3万円くらいを包みます。双方で話し合って結納費用を折半するケースもあります。被服費や美容代はそれぞれの負担です。

結納品

 結納品の一つひとつに伝統的な云われがあり、これを理解した上で式に臨めばより意義深い結納となるでしょう。結納品は正式には9品以上を揃えますが、7品、5品の略式もあります。いずれも二つに割れない、分かれない奇数を揃えます。
 結納品と同時に双方で目録と受書、家族書、親族書、健康診断書を準備します。目録には贈る結納品の品名・数量を記入します。受書は結納品の受領確認として相手に渡すもので、目録と同様に受けとったものを書き入れます。できるだけ濃い墨を使い、毛筆で記入するのがきまりです。
 男性側からいただいた結納品の答礼として女性側から贈るのが(結納返し)です。男性側が納めた結納品の同数か、ひとまわり少ない品を用意します。袴料としては結納金の半分から3分の1程度の額を包みます。最近では現金のかわりにスーツ一式やネクタイ、時計などの品物で返すケースが主流です。
 家族書・親族書は互いのファミリーを把握するために交換します。家族書には同居している家族名と本人との続柄、別居している既婚の兄弟姉妹とその配偶者の名前を書き入れます。親族書には本人の三親等くらい(両親の兄弟姉妹)までの親族の住所・氏名を血縁の近い順に記入。家族書・親族書は結納品を置く台とは別の台に載せて渡します。
 さまざまな理由から結納品を用意できない場合は記念品を用意しましょう。一般的には男性側は婚約指輪、女性側はスーツ一式、またはネクタイ、時計などを。婿側は結納金の一割程度のセットにすると良いとされています。

1.長熨斗(ながのし)
 アワビを蒸して長くのしたもので不老長寿の意味があります。昔から貴重品だったことから最大の祝意を表しています。
2.末広(すえひろ)
 潔白をあらわす白無地の扇。末広がりの意味で昔から慶事に使用されます。
3.御帯料(おんおびりょう
 結納金のこと。昔は婿側から帯地を贈り、嫁側から袴地を贈っていました。嫁側から贈るのは袴料と呼びます。
4.結美輪(ゆびわ)
 婚約指輪。本来は欧米の習慣でしたが、近年日本でも指輪を贈るようになりました。
5.勝男節(かつおぶし)
 武士の家では出陣のときにカツオブシを「勝男武士」といって武運を祝いました。保存食から永遠不変の意味もあります。
6.寿留女(するめ)
 スルメのことで「寿を留める女」という意味がこめられています。昔から保存食として重宝されていました。
7.子生婦(こんぶ)
 昆布のこと。その強い生命力に「子を生む」という字をあて子孫繁栄を願います。
8.友白髪(ともしらが)
 白麻でできていて、ともに白髪の生えるまで仲良く長生きしてほしいという意味。
9.家内喜多留(やなぎたる)
 お酒。柳樽の当て字で、家の中に喜びが多く留まるという意味があります。

結納品の片付け方

 本来、結納品は挙式当日まで飾っておくのが習わしですが、1週間から10日間ほど飾った後いったん片付け、挙式が近づいたらまた飾ることもできます。昆布や鰹節などの食用品は早めに食べましょう。
 飾りや祝儀袋などは思い出としてとっておくと良いでしょう。また、目録と受書だけをとっておき、品物や飾りは神社で焼却してもらう方法もあります。その時は玉串料を添えましょう。

婚約を解消する場合

 婚約はしたものの予想しなかったさまざまな問題が生じ、やむを得ず解消する場合もあるかもしれません。仲人を立てている場合、まず訪問し報告をします。その際、両親または一方の親が同行して事情を話し丁重にお詫びします。それまでの仲人のお礼として手みやげ品と金包みを一緒に渡します。